病気紹介 糖尿病について 2022.10.04 Tweet Share RSS この記事のタイトルとURLをコピーする 犬や猫でも、糖尿病になることがあります。ともに中高齢で発症することが多いと言われています。糖尿病は、大きく2つのタイプに分類されます。 1型糖尿病 インスリンを作る膵臓の細胞が破壊されてしまい、インスリンが分泌できなくなります。犬に多いと言われています。 2型糖尿病 肥満・生活習慣病などによりインスリンが効きにくくなったり、インスリンが分泌されにくくなります。猫に多いとされています。 症状、検査および治療については下記のようになります。 症状 水をよく飲む、おしっこが多い、体型(体重)の変化(痩せてきた、太ってきた)、食欲の変化(よく食べる、食欲が低下している)、歩き方の変化(猫で時々見られます)などです。 検査 1.血液検査 血糖値が上昇します。他の病気の可能性もふまえ、様々な項目を検査する場合が多いです。血糖値は、興奮・ストレス刺激などでも高くなることがあるので、解釈には注意が必要です。 少し特殊な項目としてフルクトサミン、糖化アルブミンあるいは糖化ヘモグロビンを測定します。これらも項目は、過去2週間くらい血糖値が高い状態が続いている場合に上昇します(一次的な血糖値の変化の影響を受けません)。 2.尿検査 尿糖をはじめ、尿潜血・尿蛋白の有無などを確認します。 3.その他 状態などに応じて、腹部の画像検査(レントゲン検査、エコー検査)を行い ます。また、ホルモンの病気、卵巣の異常なども疑われる場合はホルモン濃度測定なども実施します。 図1.血糖値の簡易測定器(イメージ) 犬・猫でも人と同じような簡易測定器での血糖値測定が可能です。 治療 治療には、インスリン製剤の注射が必要です。まず、どのインスリン製剤をどのくらいの量・頻度で使用すればいいのかを決めなければいけません。実際に食餌を食べ、インスリン製剤を注射して血糖値の変化を数時間ごとに確認します。インスリン製剤の種類、投与量などが決まったら、規則正しくインスリン製剤の注射をすることが重要です。 また、食事内容の変更も血糖値の管理には有効な場合があります。繊維質が多く、脂質の調整された食餌などでは、食後の血糖値上昇を緩やかにする場合があります。 人の糖尿病患者さんでは、飲み薬が使用される場合があります。犬・猫では、その効果について今のところ、インスリン製剤の注射以上の効果は認められていません。 図2.インスリン製剤の注射器(イメージ) 糖尿病治療には、インスリン製剤の注射が重要です。 最後に 糖尿病の犬・猫を診察する機会は少なくありません。糖尿病が適切に管理できれば、寿命を全うできる犬・猫もたくさんいます。お家での様子がいつもと少し違ったら、もしかしたらと思ったら、早めに動物病院を受診しましょう。 Tweet Share RSS この記事のタイトルとURLをコピーする 猫の角膜黒色壊死症 前の記事 緑内障 次の記事
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